いちにちのろうく
初出:「新潮 第三十五年第三号」1938(昭和13)年3月1日
書き出し
一月二十二日。日々の告白という題にしようつもりであったが、ふと、一日の労苦は一日にて足れり、という言葉を思い出し、そのまま、一日の労苦、と書きしたためた。あたりまえの生活をしているのである。かくべつ報告したいこともないのである。舞台のない役者は存在しない。それは、滑稽である。このごろだんだん、自分の苦悩について自惚れを持って来た。自嘲し切れないものを感じて来た。生れて、はじめてのことである。自分の…
片信
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