青空文庫

「小川芋銭」の感想

小川芋銭

おがわうせん

山村暮鳥10

書き出し

物其のものはそれ自らに於てことごとく生命の一の象徴でなければならぬ。また実にその象徴である。いつかお目にかゝりたいと思つてからすでに久しいのである、芋銭氏はそんな事は夢にもごぞんじないであらう、それが事実となつた。牛久駅に下車した時はもう何処の家にも灯は入つてゐた。自分は恋人に逢ひにでも行くやうな気分で沐浴し、喫餐し、折柄の糠雨を宿で借りた傘で避けながら闇の夜道をいそいだ。をしへられた火の見の下ま

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