しょうこくかみん
初出:1945(昭和20)年9月1日稿
書き出し
放翁東籬の記にいふ、「放翁告帰(退官して隠居すること)の三年、舎東の※地(草の生ひしげる土地)を闢く。南北七十五尺、東西或ひは十有八尺にして贏び、或ひは十有三尺にして縮まる。竹を插んで籬と為す、其地の数の如し。五石瓮(かめ)を※め、泉を瀦めて池と為し、千葉の白芙※(蓮)を植う。又た木の品(木の類)若干と草の品若干を雑へ植う。之を名づけて東籬と曰ふ。放翁日に其間に婆娑(歩き廻はること)、其の香を※り…