青空文庫

「憂鬱な家」の感想

憂鬱な家

ゆううつないえ

初出:「旭川新聞」1927(昭和2)年3月23日~26日

小熊秀雄12

書き出し

この一篇をマルキストに捧ぐ(一)屋根の上の物音、禿鷹のやうに横着で、陰気な眼をした、あんまり飛び廻つて羽の擦りきれた鴉の群であつた。こ奴等は、私の家の上で絶えず仲間同志争つた。私はジット室の中に閉ぢこもつて、この屋根の上を駈け廻る物音を聞いた。不吉な鳥達が、黒いあしうらで跳ね廻つてゐることを知ると、私はたいへん不快な気持にとらはれた。そして今度は戸口の物音である。近所に住んでゐるらしい病気の犬こ奴

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