おもちゃのきかんしゃ
書き出し
お庭の木の葉が、赤や菫にそまったかとおもっていたら、一枚散り二枚落ちていって、お庭の木はみんな、裸体になった子供のように、寒そうに手をひろげて、つったっていました。つづれさせさせはやさむなるにあの歌も、もう聞かれなくなりました。北の山の方から吹いてくる風が、子供部屋の小さい窓ガラスを、かたかたいわせたり、畑の唐もろこしの枯葉を、ざわざわゆすったり、実だけが真黒くなって竹垣によりかかって立っている日…