青空文庫

「哀詩数篇」の感想

哀詩数篇

あいしすうへん

初出:くらがり「琉球新報」1909(明治42)年5月6日

書き出し

くらがりなすによしなき哀れさよ、早や日数経て、今日の日も暗がりわたる物おもひ。水や空なる波の上に、淋しくかゝる綾雲は、やがて消ゆべき希望かや。その希望もて吾が道は、深海の底の青貝の、螺線の中のゆきもどり。物の幾度□貝□葉に、灰色なせる涙もて、悲哀の文字を印せしも、暗き深みのみなぞこの、声も言葉もかよわねば、昨日も今日も、かくて暮れゆく。暮の鐘灰色の雲かさなりて、黄昏は死人のけわひ。しく/\と泣きい

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