青空文庫

「きのふは嵐けふは晴天」の感想

きのふは嵐けふは晴天

きのうはあらしきょうはせいてん

初出:「新劇人」1936(昭和11)年4月

小熊秀雄17

書き出し

舞台周囲が岩石ばかりの大谿谷の底を想像させる所、極度に晴れ渡つた早春の朝、遠くから太鼓のにぶい音と、タンバリンの低い音が断続的に聞えてくる、舞台ボンヤリとして何か間のぬけた感。○いざり一、(空虚な舞台へ這ひ出てくる、舞台の中央でものうく、哀調を帯びて、間ののびた声で)右や左の旦那さま、(急速に)世界の果ての、(真に迫つて)果ての果ての、果てにいたるまでの旦那さま方○いざり二、(ものうく、哀調を帯び

1 / 0