ふうしだいがくせい
初出:「槐」1939(昭和14)年8月
書き出し
ある夜一人の見も知らぬ学生が訪ねて来た、洋服の袖口のところが破れてゐて小さな穴から下着の縞模様をのぞかせてゐた、学生は——諷刺文学万歳!と叫んでそして私に握手を求めた——曙ですよ、あなたのお仕事の性質は、日本に諷刺文学がとにかく真実に起つたといふことは決定的に我々の勝です、彼はかう言つて沈黙した、ところで我々はそれから、ぺちやくちやしやべつた揚句は——諷刺作家は芸術上の暗殺者で真に洗練された文学的…