それがくる
初出:「別冊新日本文学」新日本文学会、1961(昭和36)年6月
書き出し
私の末っ子が北海道へ団体旅行をしたいという。国鉄主催で募集人員は八十名、八月九日から二十日という期間である。よかろうとあってツーリストへいったのが五月三十日。団体はすでに満員でだめ、ということであった。翌三十一日、S社の若い記者が来て、——彼は毎年、年末から年始へかけて、上越へスキーにゆくのであるが、「今年はもう宿屋へ予約を申込んだ」さもなければまにあわない、と語った。私の仕事場のある丘の下は、鎌…