青空文庫

「かの日の歌【二】」の感想

かの日の歌【二】

かのひのうた【二】

初出:「琉球新報」1911(明治44)年11月3日

季節の移ろい恋愛観の相対化異国情緒叙情的憂鬱

書き出し

※音なき秋の空をながめて、木の葉は淡き吐息をもらし、色みな、悲しきメロディなり。時のまに/\泣きすぐる風に、調べはいたく、狂ひわなゝき、自然の胸の痛みは、更に深し。黄ばめる木の葉は、翼をふるひ、暗をもりたる、谷をみおろし、渦まきながら、果ては消えゆく。※こゝちよき南の朝、空は薔薇色の絹をのべ、いろ鳥の歌は、若かき恋のごとく、珠の響きをもてふるへり。眼ざめし軟風、払手柑の花咲く泉のほとりに、たわふれ

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