青空文庫

「元禄十三年」の感想

元禄十三年

げんろくじゅうさんねん

不忘55
官僚機構の風刺時代劇歴史的人物の描写厳粛鬱屈

書き出し

問題を入れた扇箱一「いや、勤まらぬことはありますまい。」土屋相模守は、じろりと二人を見た。「勤まらぬといってしまえば、だれにもつとまらぬ。一生に一度のお役であるから、万事承知しておる者は、誰もないのです。みな同じく不慣れである。で、不慣れのゆえをもってこの勅使饗応役を御辞退なされるということは、なんら口実にならんのです。御再考ありたい。」しかし、一、二度押し返したうえで引き受ける習慣になっていた。

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