青空文庫

「蓬生」の感想

蓬生

よもぎう

与謝野40
宗教的葛藤歴史的人物の描写歴史的背景貧困厳粛回顧的懐古

書き出し

(一)貢さんは門徒寺の四男だ。門徒寺と云つても檀家が一軒あるで無い、西本願寺派の別院並で、京都の岡崎にあるから普通には岡崎御坊で通つて居る。格式は一等本座と云ふので法類仲間で幅の利く方だが、交際や何かに入費の掛る割に寺の収入と云ふのは錏一文無かつた。本堂も庫裡も何時の建築だか、随分古く成つて、長押が歪んだり壁が落ちたり為て居る。其れを取囲んだ一町四方もある広い敷地は、桑畑や大根畑に成つて居て、出入

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