青空文庫

「私娼の撲滅について」の感想

私娼の撲滅について

ししょうのぼくめつについて

初出:「太陽」1916(大正5)年6月

書き出し

一木博士を主務大臣とする内務省が突如として私娼絶滅の実行に取掛ったことは最近の奇異な現象である。私はこれについていろいろのことを考えて見た。娼婦とは奴隷の一種である。経済上の独立精神と独立能力との麻痺した女が、良心と肉体とを男子に捧げて財物と換えることが娼婦の職業である。こういう不徳な職業の起源を尋ねることはむずかしい。それは渺茫として歴史以前の雲の中に隠れている。唯だ人類がなにがしかの文明を持つ

1 / 0