れきしじょうよりみたるみなみしなのかいはつ
初出:「雄辯 第十卷第五號」1919(大正8)年4月
書き出し
この論文を讀む人は、更に大正十四年十二月發行の『白鳥博士還暦記念東洋史論叢』中に收めた拙稿「歴史上より觀たる南北支那」(本全集第二卷所收)を參照ありたい。一支那には古來南北の區別があつて、風俗・人情・地味・物産等百般に渉つて、顯著なる相違を有して居る。この南北の區別を基礎として、歴史上より南支那開發の蹟をたづぬることは、可なり興味深い問題と思ふ。一體支那の古代に於て、純支那人ともいふべき漢族の根據…