青空文庫

「恋愛の微醺」の感想

恋愛の微醺

れんあいのびくん

初出:「日本評論 昭和11年8月号」日本評論社1936(昭和11)年8月1日

芙美子11

書き出し

恋愛と云うものは、この空気のなかにどんな波動で飛んでいるのか知らないけれども、男が女がこの波動にぶちあたると、花が肥料を貰ったように生々として来る。幼ない頃の恋愛は、まだ根が小さく青いので、心残りな、食べかけの皿をとってゆかれたような切ない恋愛の記憶を残すものだ。老けた女のひとに出逢うと、娘の頃にせめていまのようなこころがあったらどんなによかったでしょうと云う。だから、心残りのないように。深尾さん

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