ゆきのシベリア
初出:1927(昭和2)年
書き出し
一内地へ帰還する同年兵達を見送って、停車場から帰って来ると、二人は兵舎の寝台に横たわって、久しくものを言わずに溜息をついていた。これからなお一年間辛抱しなければ内地へ帰れないのだ。二人は、過ぎて来たシベリヤの一年が、如何に退屈で長かったかを思い返した。二年兵になって暫らく衛戍病院で勤務して、それからシベリアへ派遣されたのであった。一緒に、敦賀から汽船に乗って来た同年兵は百人あまりだった。彼等がシベ…