青空文庫

「二日物語」の感想

二日物語

ふつかものがたり

初出:「國會」1892(明治25)年5月、「文藝倶樂部」1901(明治34)年1月

幸田露伴59

書き出し

此一日其一観見世間是滅法、欲求無尽涅槃処、怨親已作平等心、世間不行慾等事、随依山林及樹下、或復塚間露地居、捨於一切諸有為、諦観真如乞食活、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。実に往時はおろかなりけり。つく/″\静かに思惟すれば、我憲清と呼ばれし頃は、力を文武の道に労らし命を寵辱の岐に懸け、密かに自ら我をば負み、老病死苦の免さぬ身をもて貪瞋痴毒の業をつくり、私邸に起臥しては朝暮衣食の獄に繋がれ、禁庭に出入し

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