青空文庫

「夢」の感想

ゆめ

初出:「旬刊 寫眞報知 第三巻第十二号」報知新聞社出版部、1925(大正14)年4月25日

書き出し

五月のある晴れた土曜日の夕方だつた。いつになく元※のいい、明るい顏付で勤め先から帰つて※たM会社員の青木さんは、山の手のある靜かな裏通りにある我家の門口をはひると、今まで胸に包んでゐたうれしさを一時に吐き出すやうにはしやいだ声で奧さんの名を呼んだ。と奧さんはびつくりした様子で小赱りにそこへ迎へ出て※た。「お帰んなさい。——いつたいまあ何なの?いきなりそんな大きな声をなすつて……」さうたづねかけなが

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