現代作家に対する批判と要求
げんだいさっかにたいするひはんとようきゅう
全人間的な体現を (その一、芥川竜之介氏)
ぜんにんげんてきなたいげんを(そのいち、あくたがわりゅうのすけし)
初出:「新潮」1921(大正10)年6月
南部修太郎約11分
書き出し
忌憚なく云ふと、私は現在の芥川龍之介氏の芸術に対して何にも云ひたくはないのである。と云ふのは、私は三四年前からそれに対しては機会あるごとに思ふ処を述べて来た。そして、その思ふ処は現在に於ても何等の変化を持たないのである。で、今更に批判と云ひ、要求と云ふも、それは私にとつては要するに前言の反覆に過ぎないからである。また若しこの一文が芥川氏に読まれる事を本旨とするならば、私がこれまでに述べた処のものを…
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