青空文庫

「ダマスカスの賢者」の感想

ダマスカスの賢者

ダマスカスのけんじゃ

初出:「赤い鳥」1927(昭和2)年2月

書き出し

一むかし、ダマスカスといふ町に、イドリスといふなまけものがゐました。貧乏なくせに、はたらくことがきらひなのですからたまりません。或とき、もういよ/\食べるものもなくなり、売りはらふものと言つたつて、ぼろッきれ一つさへないはめになりました。おかみさんは、「これではもう二人でかつゑて死ぬばかりです。後生だから、どうぞ今日からお金をもうけに出て下さい。」と、泣いてたのみました。「お金をもうけるつて、一た

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