しゅぜんじものがたり
初出:「文藝倶樂部」1911(明治44)年1月
書き出し
(伊豆の修禪寺に頼家の面といふあり。作人も知れず。由來もしれず。木彫の假面にて、年を經たるまゝ面目分明ならねど、所謂古色蒼然たるもの、觀來つて一種の詩趣をおぼゆ。當時を追懷してこの稿成る。)登場人物面作師夜叉王夜叉王の娘かつら同かへでかへでの婿春彦源左金吾頼家下田五郎景安金窪兵衞尉行親修禪寺の僧行親の家來など(一)伊豆の國狩野の庄、修禪寺村(今の修善寺)桂川のほとり、夜叉王の住家。藁葺の古びたる二…