青空文庫

「幕末維新懐古談」の感想

幕末維新懐古談

ばくまついしんかいこだん

17 猫と鼠のはなし

17 ねことねずみのはなし

高村光雲12

書き出し

少し変った思い出ばなしをします。鼠の話を先にしましょう。私が十五、六歳の時です。師匠の手元にいて、かれこれ二、三年も稽古をしたお蔭で、どうやら物の形が出来るようになって来ました。それで、そろそろ生意気になって、何か自分では一廉の彫刻師になったような気持で、師匠から当てがわれた仏様の方をやるのは無論であるが、それだけではたんのう出来ないような気持で、何か自分の趣向を立てたもの、思い附いたものを勝手に

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