ばくまついしんかいこだん
17 猫と鼠のはなし
17 ねことねずみのはなし
書き出し
少し変った思い出ばなしをします。鼠の話を先にしましょう。私が十五、六歳の時です。師匠の手元にいて、かれこれ二、三年も稽古をしたお蔭で、どうやら物の形が出来るようになって来ました。それで、そろそろ生意気になって、何か自分では一廉の彫刻師になったような気持で、師匠から当てがわれた仏様の方をやるのは無論であるが、それだけではたんのう出来ないような気持で、何か自分の趣向を立てたもの、思い附いたものを勝手に…