青空文庫

「幕末維新懐古談」の感想

幕末維新懐古談

ばくまついしんかいこだん

15 焼け跡の身惨なはなし

15 やけあとのみじめなはなし

書き出し

帰ったのは九ツ過ぎ(十二時過ぎ)でした。さすがの火事もその頃は下火となって、やがて鎮火しました。火事の危険であった話や、父に扶けられた話や、久方ぶり、母との対面や何やかやで、雑炊を食べなどしている中、夜は白々として来ました。さて、翌朝になり、焼け跡はどうなったか。師匠の家の跡は……と父とともに心配をしながら行って見ると、師匠の家はない。焼け跡に、神田の塗師重の兄弟と、ほかに三人ばかり手伝いがボオン

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