青空文庫

「馬上三日の記」の感想

馬上三日の記

ばじょうみっかのき

エルサレムよりナザレへ

エルサレムよりナザレへ

徳冨蘆花19

書き出し

車上六月四日、エルサレムを立ち、サマリヤを経てガリラヤに赴かんとす。十字架よりナザレの大工場へ、即ち四福音を逆に読むなり。エル・ビレエにてエルサレムに最後の告別をなし、馬車はいよ/\北へ走る。車中には案内者一名載せたり。名はフィリップ・ジヤルルック三十八九、シリヤ人にしてクリスチアンなり。此馬車道は、八年以前独逸皇帝が土耳其領内遊歴の折修繕したるものとか。独帝の漫遊以来パレスタインに於ける独逸人の

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