青空文庫

「どろぼう猫」の感想

どろぼう猫

どろぼうねこ

初出:「九州日報」1922(大正11)年12月14~15日

書き出し

お天気のいい日に斑猫が縁側に坐ってしきりに顔を撫で廻しておりました。この猫は鼠を一匹も捕らぬくせに泥棒猫で、近所から嫌われていましたが、「ニャーニャーゴロゴロ」とおべっかを使うのが上手なので、この家の人に可愛がられていました。ちょうどこの家の赤犬が通りかかって、この猫を見ると声をかけました。「ブチ子さん今日は」猫はふり返って、「オヤ赤太郎さん。だんだん地べたがつめたくなりましたね」とあいさつをしま

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