しゃみせんのどう
初出:「都市と芸術」1930(昭和5)年3月号
書き出し
うちの松篁は、私の顔を三味線だと言う。これは私の額口が、さよう独立的と言いますか後家星と言いますか、生え際が角ばっている。普通の女の人は生え際がせまくて山形になっている。ところが私はその反対に角がたっている。これは私ばかりではなく、うちのおばあさんも平たくなっている。つまり四角い。で「顔の輪廓が四角いあの三味線の胴みたいな」と、そんな悪口を言う。顔の道具立は、さて何と言いますか、さしずめ鼻は団子鼻…