こっきょう
初出:「戦旗」1931(昭和6)年2月
書き出し
一ブラゴウエシチェンスクと黒河を距てる黒竜江は、海ばかり眺めて、育った日本人には馬関と門司の間の海峡を見るような感じがした。二ツの市街が岸のはなで睨み合って対峙している。河は、海峡よりはもっと広いひろがりをもって海のように豊潤に、悠々と国境を流れている。対岸には、搾取のない生産と、新しい社会主義社会の建設と、労働者が、自分たちのための労働を、行いうる地球上たった一つのプロレタリアートの国があった。…