ひのひかりをあびて
書き出し
(一)日は照れど、日は照れど君を見る日の來なければわたしの心はいつも夜日は照れど、日は照れどわたしは目盲ひ、耳聾ひ、唖者君を見もせず、聞きも得ず「日が照つてゐる……。」さう呟きながら、私は部屋の隅から枕を巡らして、明るい障子の方にその面を向けた。南向きといふ事は何といふ幸福な事であらう、それは冬の滋養を大半領有する。日の光は今頑固な朝の心を解いて、その晴やかな笑顏《ゑ…