青空文庫

「軽蔑された翻訳」の感想

軽蔑された翻訳

けいべつされたほんやく

初出:「文芸春秋」1931(昭和6)年9月

三木5

書き出し

我々は我々の書いたものを互にもっと読むようにしたいと思う。私は必ずしもそれを尊重せよというのではない。正直に云って、日本の学界の水準は西洋の学界の水準よりも低いことを認めねばならぬ。そしてものがそれの本質的な価値に相応して尊重されるということは正しいことであり、善いことである。私の求めているのは親切である。日本人は日本人の書いたものを互にもっと親切に読むようにしたいと思う。我々は互に他の人のものを

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