ことしのほうふ
初出:「宝石 五巻一号」1950(昭和25)年1月号
書き出し
元旦の朝はその一年というものが非常に長いように思われる。三百六十五日あるのだから長いのはあたりまえだが、その一日を無駄なく、大切に暮らしたら相当何か出来るはずなのだ。今年こそは大いに勉強して、自信のある作品とまではゆかなくとも、せめて、恥しくない、顔の赤くならないものを書きたい。私は来る年毎に必ずそれを考えるのだが、まだ一度だって実行出来たためしがない。最初の意気込みが、二月、三月、ともなればそろ…