青空文庫

「竹の里人〔三〕」の感想

竹の里人〔三〕

たけのさとびと〔さん〕

初出:「馬醉木 第十號」1904(明治37)年4月5日

長塚9

書き出し

○一日を隔てた三十日に二回目の訪問をした。先生の姿勢はいつもの通りであつた。その時自分は國元から持つて行つた丹波栗の二升ばかりを出すと、それはどうして保存して置くのかといふやうな問があつた。砂と交へて土中に埋めて置くといふやうなことを話すと、ウムと聞き取れない程にいはれて暫くは默して居られた。自分は丹波栗を先生に進めたといふことで咏んだ二三首の歌を見せ先生は唯々じいつと見詰めて居られたが、その内の

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