青空文庫

「貧富幸不幸」の感想

貧富幸不幸

ひんぷこうふこう

初出:「現代」1923(大正12)年1月号

幸田露伴16

書き出し

もしそれ真の意味に於て言を為せば、貧と富とは幸福と不幸福とに対して相即くところは無い。貧でも幸福であり得、また不幸福であり得、富でも不幸福で有り得、また幸福で有り得るからで有る。しかし世上普通の立場に於て言を為せば、貧ということは不幸福を意味し、富ということは幸福を意味することになって、貧富は幸不幸に相即くものとなって居る。貧は不自由と少能力との体であり、富は自由と多能力との体であるからであり、ま

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