青空文庫

「名詩集「思ひ出」の真価」の感想

名詩集「思ひ出」の真価

めいししゅう「おもいで」のしんか

初出:「アルスグラフ 第二卷第一、二號」1926(大正15)年1、2月号

書き出し

1◇新しいものは古くなる。しかし善いものは惡くならない。藝術の鑑賞では、これが最も大切な常識である。わが國の文壇では、いつも「新」と「善」とが同字義であり、「舊」と「惡」とが同じ概念を意味してゐる。即ち「古い」といふ言葉は、いつでも「無價値」を意味して居る。これがたいへんの間ちがひである。◇すべての新しいものは、必然的に古くなる。昨日の新派は必ず今日の古典となる。しかしながら善いものは、常に永遠に

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