青空文庫

「二つの愛国型」の感想

二つの愛国型

ふたつのあいこくがた

初出:「報知新聞」1940(昭和15)年10月23~25日

佐藤春夫約97

書き出し

(一)愛国の精神に二つはない。しかしその現れは千差万別人さまざまである。たとへばその根も幹も一つでありながら各の枝にさく一つ一つの花がつくづくと見るとそれぞれ多少の相違があるやうなものであらう。あまりに複雑な差別はさて置いて、およそ二つの型が見られよう。自国の長所と美点とを誇り喜び心酔してゐるとも見るべき、いはゞごく素朴にすなほな型の愛国者で在来の役人や軍人、教育家など普通に愛国者と認められてゐる

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