かのひのうた【五】
初出:「琉球新報」1911(明治44)年12月24日
書き出し
※気味わるき、十二月の、ひねもす。そとには、おやみなくそゝぐ雨、軒端にみだらなる、なげかひ………苦るしまぎれに煙草をすふ。音なき浪——けむりのなかに、うす暗き人生は、哀れ寂しく!かゝみて——渦まく。時々未練、眼をかする、覚束なき恋のたはむれ!力なく趁ふては、きゆる、あはれ十二月の室内のひねもす。※陰鬱な空気と□す、あおこけむす、きみ悪き墓場!何者か深い/\底より、吐息をもらす。葬式の白き花しとしと…
新らしき悲しみにうつる時
在りし日の歌
小熊秀雄全集-01