青空文庫

「新らしき悲しみにうつる時」の感想

新らしき悲しみにうつる時

あたらしきかなしみにうつるとき

初出:「沖縄毎日新聞」1911(明治44)年1月13日

喪失と記憶孤絶死の受容叙情的憂鬱静謐

書き出し

うら若かき日の悲しきあこかれ——草葉の息吹きかへす甘き馨り、艶はしき花の笑ひもながめて過ぎぬ。木の間にさへずる鳥の歌をきく、悲しみは眼を閉ぢて、暫時やすらひもせし。されど、とく新らしき悲しみにうつりぬ。何をもてこの闇を照らさむ。——空を仰げば怖ろし…………いざさらば、独り琉球節の一曲を、口笛に、うらやすき墓場のほとりにさ迷はむ。そは音なき響きをきかむとや…………底本:「沖縄文学全集第1巻詩※」国書

1 / 0