青空文庫

「少年時代」の感想

少年時代

しょうねんじだい

初出:「今世少年 10月増刊号 今世英傑少年時代」1900(明治33)年10月

幸田露伴19
下町風土喪失と記憶回顧的病中苦悩叙情的静謐

書き出し

私は慶応三年七月、父は二十七歳、母は二十五歳の時に神田の新屋敷というところに生まれたそうです。其頃は家もまだ盛んに暮して居た時分で、畳数の七十余畳もあったそうです。併し世の中が変ろうというところへ生れあわせたので、生れた翌年は上野の戦争がある、危い中を母に負われて浅草の所有地へ立退いたというような騒ぎだったそうです。大層弱い生れつきであって、生れて二十七日目に最早医者に掛ったということです。御維新

1 / 0