青空文庫

「竇氏」の感想

竇氏

とうし

下層階級の描写奇人描写歴史的人物の描写叙情的静謐

書き出し

不意に陽がかげって頭の上へ覆をせられたような気がするので、南三復は騎っている驢から落ちないように注意しながら空を見た。空には灰汁をぶちまけたような雲がひろがって、それを地にして真黒な龍のような、また見ようによっては大蝙蝠のような雲がその中に飛び立つように動いていた。そのころの日和癖になっている驟雨がまた来そうであった。南は新しい長裾を濡らしては困ると思った。南は鞭の代りに持っている羅宇の長い煙管を

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