青空文庫

「口笛を吹く武士」の感想

口笛を吹く武士

くちぶえをふくぶし

初出:「サンデー毎日」1932(昭和7)年3月

不忘27
時代劇歴史的人物の描写歴史的背景懐古緊張

書き出し

無双連子一「ちょっと密談——こっちへ寄ってくれ。」上野介護衛のために、この吉良の邸へ派遣されて来ている縁辺上杉家の付家老、小林平八郎だ。呼びにやった同じく上杉家付人、目付役、清水一角が、ぬっとはいってくるのを見上げて、書きものをしていた経机を、膝から抜くようにして、わきへ置いた。「相当冷えるのう、きょうは。」「は。何といっても、師走ですからな、もう。」小林が、手をかざしていた火桶を押しやると、一角

1 / 0