青空文庫

「誘惑」の感想

誘惑

ゆうわく

初出:「改造 第九卷第四号」1927(昭和2)年4月1日

古典の翻案怪奇知性と感性の対立叙情的幽玄

書き出し

1天主教徒の古暦の一枚、その上に見えるのはこう云う文字である。——御出生来千六百三十四年。せばすちあん記し奉る。二月。小二十六日。さんたまりやの御つげの日。二十七日。どみいご。三月。大五日。どみいご、ふらんしすこ。十二日。……………2日本の南部の或山みち。大きい樟の木の枝を張った向うに洞穴の口が一つ見える。暫くたってから木樵りが二人。この山みちを下って来る。木樵りの一人は洞穴を指さし、もう一人に何

1 / 0