青空文庫

「道標」の感想

道標

どうひょう

初出:第一部「展望」筑摩書房、1947(昭和22)年10月号~1948(昭和23)年8月号

宮本百合子2093
季節の移ろい旅の情景異国情緒叙情的静謐

書き出し

道標第一部第一章一からだの下で、列車がゴットンと鈍く大きくゆりかえしながら止った。その拍子に眼がさめた。伸子は、そんな気がして眼をあけた。だが、伸子の眼の前のすぐそばには緑と白のゴバン縞のテーブルかけをかけた四角いテーブルが立っている。そのテーブルの上に伸子のハンド・バッグだの素子の書類入鞄だのがごたごたのっていて、目をうつすと白く塗られた入口のドアの横に、大小数個のトランク、二つの行李、ハルビン

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