青空文庫

「東京ロマンティック恋愛記」の感想

東京ロマンティック恋愛記

とうきょうロマンティックれんあいき

初出:「近代生活」昭和6年4月号

作家の日常恋愛観の相対化文明開化都市の異化叙情的幽玄軽妙

書き出し

僕の同棲者の魑魅子は寝台に寝ころんで、華やかにひらいた脣から吐き出すレイマンの匂いで部屋中にエロテイィクな緑色の靄をつくりながら、僕のいつもの恋愛のテクニックを眺望しているんだ。かの女の前身は外人相手の娼婦なので、魑魅子には東洋の古典の絵巻にあるような繊細なこころは、あいにく持っていなかったが、女取引所にあらわれる体温によって花咲いた男性の手管を、侵略に委せて刺青した、肉体的異国的な地図と感情を失

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