はなまくら
初出:「新小説」1897(明治30)年4月
書き出し
上神の工が削りなしけん千仞の絶壁、上平に草生ひ茂りて、三方は奇しき木の林に包まれ、東に向ひて開く一方、遙の下に群れたる人家、屈曲したる川の流を見るべし。此處に飛び來れるは、さゝやかに美しき神の子二人、何處よりか採りて來し種々の花を植ゑ試みつゝ、白き羽の一人は黄なる羽の一人に向ひ、「匂よ。菫、苧環、櫻草、丁字草、五形、華鬘草の類は皆此方に栽ゑて枕元を飾るべし。「それこそ善からめ。吾は此方に蒲公英、母…
まざあ・ぐうす
マグノリアの木
地は饒なり