青空文庫

「花枕」の感想

花枕

はなまくら

初出:「新小説」1897(明治30)年4月

正岡子規17
創作背景古典の翻案童話的ファンタジー叙情的幽玄

書き出し

上神の工が削りなしけん千仞の絶壁、上平に草生ひ茂りて、三方は奇しき木の林に包まれ、東に向ひて開く一方、遙の下に群れたる人家、屈曲したる川の流を見るべし。此處に飛び來れるは、さゝやかに美しき神の子二人、何處よりか採りて來し種々の花を植ゑ試みつゝ、白き羽の一人は黄なる羽の一人に向ひ、「匂よ。菫、苧環、櫻草、丁字草、五形、華鬘草の類は皆此方に栽ゑて枕元を飾るべし。「それこそ善からめ。吾は此方に蒲公英、母

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