青空文庫

「十二支考」の感想

十二支考

じゅうにしこう

07 猴に関する伝説

07 さるにかんするでんせつ

初出:(一)概言1「太陽 二六ノ一」博文館、1920(大正9)年1月

南方熊楠190
学問的考察民俗学異国情緒学術的懐古

書き出し

(一)概言1一条摂政兼良公の顔は猿によく似ていた。十三歳で元服する時虚空に怪しき声して「猿のかしらに烏帽子きせけり」と聞えると、公たちまち縁の方へ走り出で「元服は未の時の傾きて」と附けたそうだ。予が本誌へ書き掛けた羊の話も例の生活問題など騒々しさに打ち紛れて当世流行の怠業中、未の歳も傾いて申の年が迫るにつき、猴の話を書けと博文館からも読者からも勧めらるるまま今度は怠業の起らぬよう手短く読切として差

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