青空文庫

「十二支考」の感想

十二支考

じゅうにしこう

10 猪に関する民俗と伝説

10 いのししにかんするみんぞくとでんせつ

初出:1「太陽 二九ノ一」博文館、1923(大正12)年1月

南方熊楠108
伝説の翻案民俗学言語の構造回顧的学術的

書き出し

1十二月(大正十一年)初め博文館から「イノシシノゲンコハヤクオクレ」と電信あり、何の事か判らず左思右考するに、上総で蕨を念じ、奥州では野猪の歌を唱えて蝮蛇の害を防ぐとか。しかる上は野猪と蕨の縁なきにあらず。蜀山人の狂歌に「さ蕨が握り拳をふり上げて山の横つら春風ぞふく」、支那にも蕨の異名を『広東新語』に拳菜、『訓蒙字会』に拳頭菜など挙げいるから、これは一番野猪と蕨を題して句でも作れという事だろうと言

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