しつらく
書き出し
わが上に一切の事物を示す「失楽」よ、過ぎゆく日の最後なる今日の「失楽」よ、わが身の上の「失楽」よ、我は汝に叫ぶ、「全く空し」と。我は幽欝なる汝の栖所に圧込められ、我は其処に、粛索と飢渇との苦を続く。何物も好からず、何物も最後まで期待せし所に値せず。かくて、我は、今、汝の抱緊の下に死なんとす、悔も無く、望も無く、怖るる所も無く。無し、無し、一の叫びも無し、一の戦慄も無し。最後の頼みとせしわが「愛」さ…
芥川竜之介歌集
マリヴロンと少女
晶子詩篇全集拾遺