青空文庫

「失楽」の感想

失楽

しつらく

恋愛観の相対化死の受容虚無厳粛叙情的鬱屈

書き出し

わが上に一切の事物を示す「失楽」よ、過ぎゆく日の最後なる今日の「失楽」よ、わが身の上の「失楽」よ、我は汝に叫ぶ、「全く空し」と。我は幽欝なる汝の栖所に圧込められ、我は其処に、粛索と飢渇との苦を続く。何物も好からず、何物も最後まで期待せし所に値せず。かくて、我は、今、汝の抱緊の下に死なんとす、悔も無く、望も無く、怖るる所も無く。無し、無し、一の叫びも無し、一の戦慄も無し。最後の頼みとせしわが「愛」さ

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