青空文庫

「坑夫の子」の感想

坑夫の子

こうふのこ

初出:「解放」1926(大正15)年5月号

葉山嘉樹14
下層階級の描写社会疎外資本主義的搾取階級間の摩擦写実的緊迫鬱屈

書き出し

発電所の掘鑿は進んだ。今はもう水面下五十尺に及んだ。三台のポムプは、昼夜間断なくモーターを焼く程働き続けていた。掘鑿の坑夫は、今や昼夜兼行であった。午前五時、午前九時、正午十二時、午後三時、午後六時には取入口から水路、発電所、堰堤と、各所から凄じい発破の轟音が起った。沢庵漬の重石程な岩石の破片が数町離れた農家の屋根を抜けて、囲炉裏へ飛び込んだ。農民は駐在所へ苦情を持ち込んだ。駐在所は会社の事務所に

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