青空文庫

「一粒の粟」の感想

一粒の粟

ひとつぶのあわ

初出:「解放」1920(大正9)年3月号

童話的ファンタジー自己認識自然と人間の冥通叙情的希望静謐

書き出し

○或る芝生に、美くしく彩色をした太鼓が一つ転っていた。子供が撥を取りに彼方へ行っている間、太鼓は暖い日にぬくまりながら、自分の美くしさと大きさとを自慢していた。すると丁度その時頭の上を飛んで行った小鳥が、何かひどく小さいものを彼の傍に落して行った。気持の好い空想を破られ、それでムッとして見ると、薄茶色の粟が一粒いる。自負心の強い太鼓は忽ち小癪な奴だと思った。俺が折角いい心持で美くしい体を日に暖めて

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