青空文庫

「白蟻」の感想

白蟻

しろあり

創作背景怪奇文学不信静謐叙情的回顧的

書き出し

序かようなことを、作者として、口にすべきではないであろうが、自分が書いた幾つかのなかでも、やはり好きなものと、嫌いなものとの別が、あるのは否まれぬと思う。わけても、この「白蟻」は、巧拙はともかく、私としては、愛惜措く能わざる一つなのである。私は、こうした形式の小説を、まず、何よりも先に書きたかったのである。私小説——それを一人の女の、脳髄の中にもみ込んでしまったことは、ちょっと気取らせてもらうと、

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