青空文庫

「罪過論」の感想

罪過論

ざいかろん

石橋忍月11
学問的考察文学批評芸術論分析的厳粛

書き出し

罪過の語はアリストテレスが、之を悲哀戯曲論中に用ひしより起原せるものにして、独逸語の所謂「シウルド」是なり。日本語に之を重訳して罪過と謂ふは稍々穏当ならざるが如しと雖も、世にアイデアル、リアルを訳して理想的、実写的とさへ言ふことあれば、是れ亦差して咎むべきにあらず。吾人をして若し罪過の定義を下さしめば、簡明に左の如く謂はんと欲す。曰く、罪過とは悲哀戯曲中の人物を悲惨の境界に淪落せしむる動力(源因)

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